世界は終わらない 人の儚さに比べ世界はなんて図太いのだろう 地球が瞬きをしている間に人間は登場した きっと次の瞬きをするまでに人間は退場するのだ しかしそのなんと気の遠くなる長さか 明日人類は滅びない明後日人類は滅びない しかし人は走り続けるできるだけ早く 母なる神から見て人は一瞬しか生きられないのだ 明日世界は終わらない明後日世界は終わらない だから人は走り続けるろくに休まず 終わらないのは生きるために課され続ける課題なのだ 課題を懸命に解いてきたものは死の間際に思うのだ あのとき休んでいれば後に倍の課題を解けただろうと 課題から逃げ続けたものは死の間際に思うのだ 逃げた所からやり直していれば人生は変わっただろうと 頻繁に休みながら解いたものは死の間際に思うのだ 自分は中途半端にしか生きられなかったと 明日地球は壊れない明後日地球は壊れない リセットボタンはどこにもない 当てにできるのは今ここに在る私だけなのだ 明日の自分は変わるだろう明後日の自分は変わるだろう 望みの生き方をする覚悟だけしておけばいい 世界は無限に無関心なのだから |